C.姉、母のような存在だけど、押しに弱い。それでも自制心を忘れなかった藤壺。
光源氏の最愛の母、桐壺の更衣きりつぼのこういにそっくりの美貌を持つ“藤壺”。そんな藤壺は桐壺帝(光源氏にとっての義父)の妻となります。
光源氏よりも5つほど歳上だった藤壺は、母よりも姉のような距離感。亡き母の面影を残すこともあり、いつしか光源氏は憧れから異性としての好意を抱くのでした。
その結果、気持ちを抑えられなかった光源氏は藤壺に迫り、ふたりの間には子どもが生まれます。表向きは義理の親子であるふたりが関係を持ったと知られれば、お互いにどうなるかわからない。やがて光源氏にそっくりな美しい男の子が生まれますが、我が子と光源氏を守るべく、藤壺は後に出家します。
当時、出家は「生きながらにして死す」という考えがあるほど、俗世間とのつながりを捨てる行動でした。
光源氏は桐壺帝が亡くなった後も、「もう邪魔する者はいない」と言わんばかりに、虎視眈々と藤壺へ求愛を続けます。ふたりの関係が立場上、許されないことも光源氏からしてみれば、逆に燃える要素となっていました。
関係を持っていることが明らかになれば、自分たちどころか我が子の身も危ないと考えた藤壺は、自分が尼の身となることで守ろうとしたのです。
理想の女性として慕われていた相手からの押しに弱いが、そのまま関係を続けることなく別れを告げた藤壺。藤壺タイプのあなたには、つい相手からの猛アタックに押し負けて付き合うことになったとしても、「これは良くない」と思えば迷わずに関係を断ち切る強さがあります。
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